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恐る恐る振り向くと、黒い服を着た若い男が立っていた。サラリとした金髪に、しゅっとした顔立ち、雑誌のモデルでもやっていそうだ。
――私の一番キライなタイプ。
男は、思ったよりも真っ当な事を話した。
もしかしたら、ただのナンパかとも思いはしたが、『きれいに死ねる』と言う言葉に惹かれてついてきた。
しかし、一向にその方法について話そうとしない。
駅名は知っているが、降りた事のない知らない街の、よく知っているコーヒーチェーン店で、二杯目のコーヒーを飲み干しても、その口は関係の無い事ばかりを話し続けている。
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