7人が本棚に入れています
本棚に追加
「――以上って、それで本当に願いがかなうの? 意味がわからないわ。大体、魔法って何よ。何の魔法よ。そうやって、高い壺でも売りつける気なんでしょ? それとも、瓶? 魔法瓶って駄洒落のつもり? どうせ騙し易いカモだと思っているんでしょう」
男はにっこりと微笑むと、いきなり人差し指を高く上げ、それをゆっくりと、私の顔の前に降ろした。そして、聞き取れないが、もごもごと呪文の様なものをつぶやき始めた。
「はい、終わりました。魔法、かかりました。では、そのままお待ちください」
それだけ言うと、男はすたすたと店を出て行った。自分で飲んだコーヒー代も払わずに。
最初のコメントを投稿しよう!