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残りの時間 別れ
「別れよう、世間に知られたら身の破滅になる…お前も俺も…
俺には子どもの事を考えなきゃいけなかった。」
1番彼には辛い言葉を口にした俺に、彼は反論もせずに、姿を消した。
頑なになる心、欲を抱える身体を持て余す日々。
身体の奥深くを滾らせる欲を抑える為に毎日死んで行く自分の気持ち。
別れて何回めかの5月の日曜日、息子の杏果を連れて桜の墓参り。
「しばら、く、だね、ヒロシ」
突然背後からかけられた声に
心臓が鳴った。
振り向くこともできずに交わした会話。
俊の声の強さに、きちんと自分の奥深くの感情と向かい合わなきゃならない事を知った。
愛してる、まだ愛してる。
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