短編 その1 プロポーズ

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残りの時間 18禁です 強引に反転された身体 下腹部に顔を埋める彼から 与えられる熱に 40を迎えた体は節操なく快楽に震える。 へそから鳩尾を通り 乳首へと這わされる指 この何年かで、すっかり愛撫を受容する事に慣れた体と心。 会陰をくすぐり、アヌスを軽くノックされ、 たっぷりとローションで濡らされた 門は難なく男の指を受け入れる。 乳首、会陰、アナル、性感の3点を執拗にそして執拗に、 焦らされ、弄られ、翻弄された先の 2度目の接合は 緩く深く狹路を分入って、 抜き差しを繰り返す頃には 片手は玉を転がす様に揉み込まれ、 男のものが犯して行くその路は 絡まるように蕩けるようにその襞を震わせる。 深く体を折って、リズムを合わせる様に尻を揺らし、ひたすら捉えた雄を奥へとねだる。 好きだ、愛してるというのには勇気がいるけど、 「一緒にいたい、お前をもっと束縛したい…」 その形が結婚だとしたら、その言葉は容易く口から紡がれる。 「ハネムーンはどこにする?」 おおよそ、アラフォー同士の会話にそぐわない内容だけど、 真剣に考えて、応える俺。 「いい歳のオヤジ2人だから、南の島より、カナダとか自然と対話するって方向にしない?」 「カナダねぇ、オーロラでも見に行くか」 「そうだね、ちょうど夏休みにオーロラなら、見えるかもしれない」 周りに認められず食料の確保も難しい間、栄養価の高い蜂蜜酒を飲んで耐え忍んでいたという 古代スカンジナビアの言い伝え ハネムーンと言う名の蜜月旅行 周りに認められる、認められよう、 そんなことはもう意識しない。 「俺たちのハネムーンは 人生を2人で寄り添う為の欠けていた月が補い合い、丸く満ちて行く為の旅。だな、」 と呟いた唇が愛おしくて、 そっと唇を合わせた。 共に生きたい、 その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、 これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを… 結婚 君の残りの時間を俺にください。
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