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2 チョコ、怒る
ちーちゃんはぼくの毛の色を見て、美味しそうな色と笑い「チョコ」と名付けてくれた。ぼくはその名前も大好きだ。「チョコ、こちょこちょこちょー」なんて言ってちーちゃんがぼくをくすぐってくれる時間も大好きだ。というか、ちーちゃんと一緒にいられるだけでぼくは幸せだ。
でもぼくのそんな幸せな時間にも終わりが来た。
ちーちゃんの隣にいつの間にか、人間の男がいるようになったのだ。そいつはタクというやつで、ちーちゃんより背が高くて力もありそうなのに、ぼくを見ると肩をすくめておどおどし始める。
こういう人間って、散歩中にもたまにいたな。知ってるぞ、こういう人間を「犬ぎらい」って言うんだ。でもおあいこ、ぼくは「タクぎらい」なんだ。ぼくの大好きなちーちゃんの横を陣取るこいつがぼくは大っきらいで、家に来るたびに吠えてやった。
「こらチョコ、どうしていつもタクに吠えるの?」
「ぼく、嫌われているみたいだね」
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