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「うそうそ、嘘よチョコ。あなたを仲間はずれにしたりなんかしないわ」
その腕の中はやっぱり太陽みたいにポカポカ気持ちよくて。ぼくは嬉しくなって、その近くにいたタクに「どうだ、いいだろう」なんて言って舌を出した。タクはぼくの言葉なんてわからない。なぜか嬉しそうにぼくの頭を、ちょっとおどおどしながら撫でた。やっぱりゴツゴツしていて気持ちよくない手だな、なんて思った。
そうしてしばらくすると、ぼくとちーちゃんは別の家へと引っ越した。そこにはタクが残念ながらいて、宣言通り一緒に暮らすこととなってしまった。どうやら2人は「ケッコン」して「夫婦」になってしまったらしい。ああ、ぼくのちーちゃんが。
新しい家は小さな2階建ての一軒家だった。郊外の片隅にあるそれは若草色の屋根が特徴で、ややベージュっぽい壁とよく合う色をしていた。なぜぼくがそんな風に家の外装をよく知っているのかというと、なんとこの家には小さいながらも庭があったからだった。基本的には家の中で過ごしていたけれど、たまに外へ出してもらうときはいつもその庭で自由にさせてもらえた。
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