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はあはあと息を整えるサイコの粗い呼吸が耳元で生々しく聞こえた。
「右足太ももに被弾。わたしはここから動けなくなった。でも、狙撃銃は十分つかえるわ。この島から、タツオたちの援護をおこなう」
「了解した。つぎの突撃を準備せよ。援護を頼む」
幼馴染みのサイコが狙撃されても、戦闘を止める訳にはいかなかった。どこか別の演習場で闘っているジョージにも負けることはできない。
タツオは気がつけば、自分も血がにじむほど唇を噛み締めて、敵の姿が見えない銀の穂に向かって銃撃を続けていた。
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