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ピーッというホイッスルのような警告音が鳴った。4足ロボットへの着弾を知らせる音だった。10発で戦闘不能となり自動的に隊旗は敵の手中となる。残りはあと9発。それでも人間の兵士よりはずっとタフな旗持ちである。
タツオは全力の30メートル走をこなして、ススキの斜面にある窪地に倒れこんだ。周囲は先発の4人が散開している。サイコがいった。
「ねえ、タツオ、あなた、ほんとにナンバーワンチームの指揮官なの。突撃するときあの猟犬を自分と同じ速さにしてどうするの。一発撃たれたじゃない」
タツオは盲点をつかれた気分だった。確かに自分のあとをついてくるように命令していた。4足歩行の戦闘ロボは人間よりも遥かに敏捷に動ける。指揮官についていくよりも、左右ジグザグに走らせたり、全力疾走させたほうが、被弾率は確実に低下することだろう。タツオは慎重な性格なので、自分とともにいるほうが安全だと思いこんでいたのだ。だが、戦闘ロボットには人を超える能力がある。
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