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「了解した。次回からはぼくが先にポイントを確保し、その後全速で前進するよう命令する」
数分間息を整える。敵からの銃声がまばらになり、後方の支援チームからの援護射撃もやんでいる。タツオは戦闘ディスプレイで時間を確認した。
「つぎの突撃を開始する。確保ポイントはあのススキの群れだ」
斜面の途中にひときわおおきなススキの群生が島のように浮かんでいた。あのなかに身を隠せばまず安全だろう。この戦闘訓練では迫撃砲や対戦車ロケットといった携行型の榴弾(りゅうだん)による攻撃はない。タツオは周囲を見渡した。
「右手斜面上部からの攻撃に注意してくれ。マルミちゃん、クニ、右斜面を集中的に叩いてくれ。30秒後、テルとサイコで前進開始だ。残る3名は援護射撃」
「了解」「了解」「了解」
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