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「夢の話なんだがこれが面白れぇんだ。お前らくらいのオレが諏田と遊んでるんだ。森ン中で。
オレカブトムシ捕まえてさ、嫌がる諏田に見せて笑ってんの。これは実際、記憶にあるんだがな…」
そこで止めると、蒼野は手を大きく広げ「そーんでさ!」と大袈裟に芝居ぶったリアクションを取る。
物は健気に頷きながら、大きな目をしばたかせた。
「それで、どうした。きになるだろう。」
「…お前時折スゲェ上から目線だよな」
「ぼくの、はなしかたについての、はなしを、していたか。」
単調なトーンで表情一つ変えない物。蒼野はふざけた言葉を飲み込む。物への冗談は選ばないといけない。
「まったく、やぶからぼうに。はやくつづきをしりたい。」
未だに小言を続ける物。
蒼野は無視して実家の前で待つ椎に声をかけた。
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