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「…まぁ二人が聞いた方がいい話だしさ」 「うまくかわされた。」 不機嫌な物を座らせ、台所へ向かう。 「あたいも、てつだう。」 「あぁ、好きなやつ持ってっていいぞ」 9歳ほどの双子にも取りやすいよう、飲み物は冷蔵庫の一番下に入れてある。 椎は午後の紅茶を取り出し、冷たさに目を細めた。 「やっぱ好きだなー!お前は!買っといたけど!」 「これ、おいしいの。あまいけど、すっきりする。」 蒼野はオレンジジュースと麦茶を抱え、乱暴に足で冷凍庫を閉めた。 「それしたら、こわれるかも。」 「いいんだよオレん()だし…」 開けっ放しの窓から吹く風は、木の葉の匂いがする。 「にいさん、これ、すきなの。」 午後の紅茶を抱えた椎は、年相応の可愛らしい笑顔だ。 蒼野は内心参りながら椎と目を合わせずに答える。 「好き…です」 紅茶は全般飲めない。 椎は舞い踊る紅葉と同じ色を頬に染め、少し恥ずかしそうに笑う。 急に踏み込んだ裸のフローリングが冷たく感じたが、気にしないようにした。
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