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3
空はいつのまにか、紫に染まっていた。
「おじゃましました。」
「おじゃましました。」
双子は手を繋いで、まだ秋が残る外へ。
「にいさん。ひとつきいてもいいかな。」
椎はくるりと振り返った。
「こんど、ぶんかさいがあるんでしょう。」
蒼野はふいを突かれ、思わず頷いてしまった。物も少し奇妙な顔で立ち止まっている。
彼女の頬は紅葉と同じ色に染まった。
「あたいは、しってるの。ぶんかさいのひ、たのしみにしてて。」
それだけ言い残すと、兄の手を取り小走りに駆けていく。
物が引っ張られる形になったが、椎は気にせず引きずっていく。
去っていくのを見送り、蒼野は首を捻った。
話してはいない…が、配布物でも読まれたのだろう。
勝手にそう解釈して家に戻った。
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