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「蒼野!」 屋上のドアを開くと、襟まで伸びた黒髪。 一目で分かる、サボり魔の蒼野。 「蒼野!」 返事はない。 「今、授業はないの!クラスで文化祭の準備だから!来て!」 それだけ言ってさっさと持ち場へ戻る。なにせ忙しくて屋上で管を巻く余裕などない。 「…」 ドアの向こうへ消えていくオレンジがかった茶髪を見、蒼野は再び背を向けた。
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