第3章

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「は、はじゃじて」 離して、と言いたかったけれど、上手くしゃべれなかった。 目の前の悠ちゃんは楽し気に緩く笑っている。 そして、 「うん、そうだね……。この手、離して欲しいよね」 と言うんだ。 何故だろう? 離して欲しいという私の意図をわかっているくせに、悠ちゃんは一向にその手を離してくれない。 たこチュー姿の変な私の顔を見て、ただずっとニコニコしている。 え、なんで? 悠ちゃん? 目線でどうして?と訴えた私に、 「理子」 と名前を呼ぶ。 パチパチと瞬きするしかできない私に、 悠ちゃんは静かに顔を傾けて、たこチュー姿の私に数秒唇を重ねた。 え? なんでこのタイミングでキス? 驚いて目を開いたままだった私。 私の頬をはさんでいた悠ちゃんの両手は、ゆっくりと後頭部へとまわされ、そのキスは深さを増していく。 私はゆっくりと瞼を降ろし、その波に身をゆだねる。 何度目かのキスの後、 「理子、好きだ――」 悠ちゃんが囁いた甘い言葉に、私は溺れ、何も考えられなくなった――、
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