第3章

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それは、言葉に表せないような、熱く激しい愛の時間だった。 悠ちゃんの熱なのか私の熱なのか、 もうそれすらわからない。 部屋の中に響く吐息。 はぎとるように脱ぎ捨てた衣服の数々。 どちらかボタンを外したのかすらもわからない。 ただそこにあるのは「触れたい――」という強い感情だけ。 部屋に響く喘ぎ声。 私は、悠ちゃんと一つになる喜びに震え泣く。 私の中から恥ずかしさという羞恥心は消えてしまった。 ただ、ただ悠ちゃんの身体に必死にしがみつき、もう二度と離れまいと指を絡めあう。 「理子、愛してる――」 耳に届いたその言葉に、零れ落ちた涙は幸せの証。 「好き――」 声になったのかすらわからないその声。 目を閉じていたけれど、悠ちゃんが笑ったような気がした――。
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