第3章

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悠side 隣でスヤスヤと眠る理子を見て、俺は自分自身に苦笑い。 もっといろいろ会えなかった時間の事、先日の嵐のような親達のもめ事の話など、理子とちゃんと話をしようと思っていたのに――、 あぁ――、 やってしまった。飛んで行ってしまった俺の理性。 あっという間に触れたら最後。 いろいろとすっ飛ばしてしまった。 一緒に食事もしようと本当は思っていたのに、結局食べてない。 理子は完全におやすみなさい状態。 まぁ、それは俺が悪いんだけど。 それにしても、気持ちよさそうに寝ている。 無意識に俺に擦り寄るその仕草は、まるで子猫のよう。 そっと額にかかる乱れた髪をよけてやれば、俺の胸の中へとさらに擦り寄り、すっぽりと納まった。 起きてるのか? 顔を覗き込むも、やはり寝ているようだ。 クスリと笑い、俺は理子を自分の方へとさらに引き寄せた。 これからずっと一緒にいられる。 嬉しいな……。 この幸せを大事にしようと、俺は強く思った。
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