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悠ちゃんが私を忘れてしまう……。
悠ちゃんが……?私を?
忘れる?
やだ! ヤダヤダヤダ!そんなの絶対やだ!
そんなことはあってはならない。
あるわけない!でもこれはもしも、の話……
もしも、悠ちゃんが私を忘れてしまったら……
――――
――――――――――
あー、そっか……、自分の中のたどり着いた答えに妙に納得。
思わずクスっと笑ってしまった。
「どうしたの? 何かおかしかった?」
目の前の華ちゃんが怪訝そうな顔をして私を見ている。
「あっ、ごめんなさい。笑ったりして……、別にふざけたわけではないんだけど……、あのっ、ちゃんと真剣に考えてましたよ。でも出た答えが妙に自分らしいっていうか、普通だったので……、思わず笑ってしまいました」
「普通?」
「はい、私はもしも悠ちゃんに忘れられてしまったら――」
「しまったら?」
「振り向いてくれるようにまた頑張るだけです」
「え?」
「悠ちゃんがまた私を好きになってくれるように、自分の好きを大事にして、悠ちゃんに何度もぶつかるだけです!」
「………そう、なんだ」
「はい。これが私の好き、です」
「……理子ちゃんの好き……。そっか、わかった。なんか少しだけ気持ちが軽くなったわ。ありがとう。あなたって本当に面白い考え方するのね」
「面白い、ですか?」
「うん、私あなたの事もっと好きになったわ」
綺麗に笑う華ちゃんは、本当にお姫様みたい。
「私もです、華ちゃんに会えてよかったです」
お互いを誉めあっていることが可笑しくて、私達は顔を見合わせて笑った。
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