第1章

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2人で部屋に戻ったら、ほろ酔いな2人が楽しそうに談笑してたから、私達はびっくりして足を止めた。 華ちゃんは入り口の前で 「陸に遅いって怒られそう」 と不安がっていたけれど、中に入って言った言葉は、 「何よ。あんなにダメって言ったくせに、随分と楽しそうじゃない!」 だった。 どうやら心配ご無用だったみたいだ。 私はホッと一安心。 基本的に陸さんは悠ちゃんがいるだけで機嫌がいいのを私は知っている。 私はそれに対して特に何も思わないけれど、華ちゃんは違うようで、 楽しそうに笑っている陸さんを見て、一言。 「ここにもいたわ。私のライバルが……」 と呟いていて、思わず声を出して笑ってしまった。 私の笑い声に気付いた2人。 「おかえり」 と悠ちゃんが優しく出迎えてくれる。 陸さんは酔っていたくせに、素早く立ち上がり華ちゃんの元へ、 「帰るぞ、華」 ギュッと手を握り呟く顔とその行動は、必ずしも一致しておらず、素直じゃないなぁと私は肩を竦めた。 けれど、2人が両想いなことは間違いない。 だからまぁ、いっか!
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