23人が本棚に入れています
本棚に追加
タケさんは、60代前半?
配管屋さんらしくて、車を自宅の駐車場に停めて、作業着のまま来夢来人に来てるっぽい。
どうやら、他にお客さんがいない時は、この4人席のソファー側が定位置らしく、混んで来たら
渋々カウンターに移ると、ママが言ってた。
私が注文を聞く必要もなく、ママが瓶ビールとグラスを出した。
私は急いで乾き物をテーブルに置く。
そうこうしてる内に、山本のじいさんが「なほちゃん、これ、これ入れて」と、自分で作ったカラオケメモの上から3番目を指差す。
「はい。森進一の冬のリビエラですね?」と言うと
「えっ?違うよ。その下だよ~~。襟裳岬だよ~~」と。
「えっ?あっ、ごめんなさい。襟裳岬、はい、入れました~~」
じいさん、あんたの指が太過ぎて
3番目なのか4番目なのか
分からんよ…
それに、冬のリビエラだろうが襟裳岬だろうが、どっちでも良いだろっ!と思ったが
そんな事は言えない。
今日が水曜日だからなのか?
8時までお客さんはこの2人だけで、タケさんには
「夏穂ちゃんは、何でここでバイトする事にしたんだ?
えっ?32かよ!ワケーなあー。
若っけ~と思っててもよ、すぐババアだからよ、早くイイ男見つけて嫁に行かね~と行けなくなるぞ」と同じ事を3回言われて
最初こそ
「はい~~。ですよね~~」と答えていたが
3回目には、ガン無視で
タケさんの歌いそうな歌を適当に入れて「はい、タケさん、吉幾三入りましたよ~~」と、マイクを無理矢理持たせる。
タケさんは「あれ?俺、こんなのいれたっけ?」とか言いながらも、立ち上がって歌ってた。
最初のコメントを投稿しよう!