レベルアップ

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今度こそ。 俺はもうトイレのことしか頭になかった とにかく出したい。 スイッチを押すと目にも止まらない早さで扉を開けてゆく。 右!右!右!左!左!右!右!左! 最後の扉を開けると チャランッ♪ チャッチャッチャッチャーン♪♪♪ とまた軽快なメロディを流れ 【レベルアップしました!】と 放送が流れた。 そんなんどうでもいい! 俺はズボンとパンツを下ろすと 目の前の便器に座った。 はぁ~ーーーーー間に合った…。 手を洗いフラフラと元 来た道を戻る。 どーなってるんだ…この造り… ゲートを出ると ふらふらと じいさんがやって来て言った。 『レベルアップおめでとう。 わしも最初は苦労したもんじゃわい。 このコンビニはな?全部がレベルアップに関わっててな?』 『ホレ?商品もみんな何かしら 暗号があってそれを解かないと 商品が取り出せんのじゃ。』 なるほど…そーゆぅことか。 まぁ俺はトイレさえ済ませれれば それでいいや。 と、店の扉の前に立つと 【こちらで得られたレベルは全て削除されますがよろしいでしょうか?】 と音声が流れた。 さっきのじいさんが俺に呟いた 『わしはもうここに20年おるんよ 今はレベル800じゃ。ヒャッヒャッヒャッ…』 いや、いいっす。もう出ます。 俺は扉を上に上げると外に出た。 いや、なんかさぁ…キャリアアップとか 馬鹿らしくなってきたなぁ… 俺は平々凡々でいいや。 ははっと笑って駅に向かう。 さっきまで痛かった胃はすっかり 治っていた。
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