4月1日、終焉。

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4月1日、終焉。

2017年も奴はやってきた。 術の呪文と梱包テープの輪が上から降ってきて 腕と体躯を締め上げていき、意識も不確かな苦しみの中 天井からスタッ と 長いマフラーを翻した紫色の影が、視界でぼんやりと像となる… 『貴様!!!…』 言うか言わぬか、口腔内に走る埃の苦味とジャリジャリとした痛み。 目耳と皮膚、そして、唇に嫌な粘着。 こめかみから首筋を汗がつたっていく。 こんなはずではないんだ。
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