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ある日思い付いたんだ。
ママの為に絵を書こう。
ママの素敵な笑顔の絵を。
そしたらきっとママは喜ぶ。
そしてまたきっと、元気になって僕を抱き締めてくれるんだ。
ママは今日もテーブルに突っ伏して、動かない。
僕はおもちゃ箱の中に入れられているクレヨンを取り出すと、リビングに置いてある新聞の広告を一枚取り出す。
肌色。黒色。ピンク色。赤色。
黄色に、水色。
やがてニッコリ笑ったママの絵が完成すると、僕は満足げに笑みを浮かべた。
これできっと、ママは喜んでくれる。
ママが笑顔になったら、パパもきっと笑顔になる。
僕はその絵をそのまま、突っ伏したままのママの足元にそっと置いた。
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