僕のママ

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また、怒鳴り声が聞こえる。 僕は膝を抱えたままそっと目を開けた。 扉の向こうはリビング。 明かりが扉の隙間からもれている。 「…知らない…って」 「だって、これはなに…」 ママとパパの声。 僕はそっと扉の隙間から、リビングを見た。 ママとパパがにらみあったままそこに立っている。 ママの手には、笑顔のママの絵。 ママは絵を握りしめたまま、怖い顔をしてパパに詰め寄っている。 ああ、これじゃダメなんだ。 一体どうしたらママを元気にさせてあげられるのかな。 また、ママとパパは喧嘩になってる。 僕は部屋のすみっこに戻ると、そっと膝を抱え、また目を閉じる。 また、明日考えよう。 そんなことを考えながら。
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