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襲ってきたのはアルファの男子生徒で、もともと春海に好意を寄せていたらしい。運悪く性フェロモンを放つ春海を見かけて、突発的にヒート状態になり、見境なく襲ってきたという。
「必死に抵抗したんだけど、もともと非力だし、僕も発情してるから抗う力が弱くて。もうだめかなって諦めかけた時に、清史郎が教室に飛び込んできて、先輩を引き剥がして、一発でのしてくれたんだ」
「うわあ、すげえ。かっけえな! 南条さん!」
まだ見ぬ兄の恋人は、正義の味方だ。
智秋はわくわくしながら続きを促した。
「襲われたショックとずっと好きだった人が助けにきてくれた現実が信じられなくて、気が動転して、気がついたら『君が好きなんだ!』って叫んでた」
「ひえー、兄ちゃん、やるなあ」
「もう、茶化すないでよ。今思えば、とんでもないこと言ったなって自分でも恥ずかしいんだからさあ」
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