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春海が両手で顔を覆った。
「南条さんは、なんて言ってくれたの?」
「それがね『俺も好きだ』って、言ってくれて……」
「すげえ! 両思いじゃん!」
「うん。僕もびっくりした。僕なんか彼の眼中に入っていないって思ってたから、最初はからかわれてるのかと思ったもの」
「兄ちゃんは綺麗で優しいから、南条さんもずっと兄ちゃんに告りたくて仕方なかったんじゃないかな。あーあ。いいなあ。両思い。俺も誰かとそんな風になれるのかなあ……あれ?」
ふと智秋は気がついた。
「南条さんって、アルファなのに、発情している兄ちゃんを見ても、ヒート起こさないんだね」
「清史郎は特殊体質で、ヒートを自分の意志で抑制できるんだ。ほんの僅かなアルファがこの特性を持っているんだよ」
「うわあ……やっぱ兄ちゃんの恋人になる人は、どっか普通のアルファと違うな!」
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