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「チアキ。俺、帰るから、入ってもらえば?」
「ごめん。なんの、おかまいも出来なくて」
「けが人が気使うんじゃねえよ。早く治せよ。じゃあな」
ハルトは、ドア付近でたちすくむ亜泉に軽く会釈して、退出した。
亜泉は病室に入らず、廊下をぼうっと眺めている。
「亜泉? どした? 入れよ」
「あ、いや。今の、誰?」
「店の同僚。ハルトくんって言うんだ。すごく綺麗だろ?」
「うん。すげえ美人……でも、男なんだよな? 男にしとくの、もったいないなあ」
「……もしかして、惚れちゃった?」
「ま、まさか! いくら綺麗でも、男は守備範囲外! そ、それより、おまえ、怪我したって、一体どうしたんだ?」
亜泉は昨日店に電話を入れたと言う。
智秋のシフトを確認しようとしたらしい。
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