11 運命の溺愛(※)(最終話)

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11 運命の溺愛(※)(最終話)

第11話 運命の溺愛(R18)(最終話) 「退院したら、一緒に暮らそう」 「ええっ? それって……」  退院を数日後に控えたある日、智秋は清史郎に同棲を提案された。  純粋に清史郎の気持ちがうれしい。  智秋だって、彼と一緒にいたい気持ちは同じだ。  しかしその申し出に、すぐ首を縦に振るわけにはいかない。  一旦保留にして、真っ先に春海に相談する。  どうしても春海の反応が気になるのだ。  だが、彼の答えは、非常にさばさばしたものだった。 「うん。いいんじゃない?」  運命の番でなくとも側にいたい。別れたくない。  そう言って、清史郎に縋っていた春海なのに。 「……兄ちゃん。清史郎さんのこと、本当に、吹っ切れたんだね……」 「そうなんだよ。今思えば、長い間、催眠状態だったような気がする。思い込みって怖いね……って、それは冗談なんだけどさ」
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