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春海が意外と毒舌家なことを、智秋は最近知った。
「気づいてると思うけど、清史郎、ああ見えて、繊細なんだ。傷害事件以来、やっぱり智秋が心配でたまらないみたいでさ。言い方悪いけど、手元に置いて安心したいみたいなんだ」
やはりそうだった。
智秋が側にいないと、清史郎は不安なのだ。
母親が退院日当日、顔を出した。その時、同棲の件を伝える。
智秋の知らぬ間に、清史郎と智秋の交際は、母親公認だ。
たとえそうでなくとも、セレブのアルファとの同棲を、守銭奴の母親が反対するはずない。
だから事後報告のつもりだった。
「ああ、南条さんに聞いてるから」
清史郎は、智秋の回答を待たずに、先に母親に了解を取り付けていた。
智秋が断るなんて、露ほども思っていなかったのだろう。
母親の「だから?」みたいな反応に、智秋は拍子抜けだ。
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