11 運命の溺愛(※)(最終話)

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「でもまさか、あんたが春海の恋人、取っちゃうなんてねえ。ま、どっちにしても、南条と手が切れなくてよかったわ。そうそう、智秋、さっさと番にしてもらいなさいよ。春海みたくモタモタして、他のオメガにかっさらわれるんじゃないよ。ああ、春海が行き遅れのオメガになったらどうしようかねえ」 「兄ちゃんは、俺と違って、すっげえモテるんだぞ! だから、清史郎さんより素敵な人がすぐ見つかるんだ!」 「あんたさ、自分の恋人、何気に貶してるって、気づいてる?」 「あ……」  母親の指摘で、智秋は清史郎をディスっていると気づかされた。 (ごめん! 清史郎さんは、かっこいいからね!)  それでも、春海の次の恋が、清史郎とのそれを上回るものであって欲しいと、どうしても願わずにいられないのだ。
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