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「じゃあ言うけど、働きたい」
「……え?」
「出来れば、『プリンス』で……だめ?」
清史郎からの返事がない。
その代わり眉間の皺が深くなり、目を眇めて、脅されている気分だ。
「あー、もうそんなしかめっ面しないで。いい男が台無しだよ」
智秋は清史郎の眉の間を、人差し指でリラックスさせようとぐりぐり撫でる。
眉毛が動いて、時折変な顔になる清史郎に、ぷぷっと笑いが込み上がる。
しかし清史郎は逆らいもせず、じっと黙っている。
(あー、悩んでるなあ)
清史郎の心の葛藤が手に取るように分かる。
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