2248人が本棚に入れています
本棚に追加
智秋の願いを叶えてあげたい。
だがプリンスで働かせるのは嫌だ。
なぜならあそこはボーイズバー。客はほぼアルファ。
恋人未満の関係の時は、ぐっと耐え忍んだだろうが、晴れて恋人同士になった今、智秋を溺愛する清史郎が、あの職場を許すはずがないのだ。
智秋はまだ店を辞めていない。
本当は清史郎との生活スタイルを合わせるため、辞めるつもりだった。
だが先日、店長のスバルから、こんな連絡を貰ったのだ。
『昼間の時間帯、男の子が接客するカフェにしてみようかなって、店内リニューアル中なのよ。だってほら、夜だけじゃもったいないじゃない。稼働率あげてかなきゃね。ねえ、チアキ、あんた、日中のシフトに入らない? 傷が治ってからでいいからさ』
接客業は自分に向いていた。
夜でなければ、続けたかったのだから、渡りに船だ。
智秋は清史郎にそんな事情を説明した。
最初のコメントを投稿しよう!