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清史郎は、春海の隣、智秋の斜め前に座った。
「ねえねえ、清史郎。僕の弟、可愛いでしょう?」
「ちょ、ちょっと! 兄ちゃん、何言ってるの! 恥ずかしいからやめてよっ!」
智秋は兄の空気を読まない言葉をあわてて遮った。平凡以下の智秋の風貌を、春海は頻繁に褒める。二人きりの時は許せても、他人の前では、非常にいたたまれない。
「可愛いな」
「え?」
「春海に聞いていたとおり、とても愛くるしい子だ」
「でしょでしょ。僕の自慢の弟なんだよ」
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