02 兄の恋人

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 智秋は二人のやり取りをぽかんと見ていた。 「ね、清史郎。いつものでいいの?」と、春海が清史郎の袖をつんつんと指先でつまんだ。 「ああ」 「りょーかい。店員さん、すみませーん!」  甘える春海と、それを悠然と受け止める清史郎。  素敵なカップルだと思う一方で、なぜか胸がきゅうっと締め付けられた。 (あれ? 俺、なんでこんな苦しいの?)
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