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智秋はぶんぶんと両手を大きく振って、全身で拒絶すると、春海がやんわりと諭す。
「智秋。彼の願いを叶えてあげて? 清史郎ね、僕があんまり智秋のことを話すものだっから、会う前から智秋を弟みたいに思っているんだよ」
「弟……」
「春海が溺愛する弟がどんな子か、ずっと気になっていたんだ」
彼の眼差しに、智秋の胸が大きく高鳴る。
変な気持ちがじわじわと胸に広がって、居心地が悪い。
「……智秋くん、どうした?」
突然何かが頬に触れた。
微量の電気が流れたように身体が痺れる。
智秋は「うわっ!」と小さく悲鳴を上げて、身体を後ろにのけぞらせた。
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