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いつの間にか、春海は智秋の隣に移動していて、優しく肩を撫でていた。
「……二人は本当に仲がいいんだな」
しみじみと向かいで清史郎がつぶやいた。
智秋ははっと我に返る。
「ご、ごめんなさい! もう、兄ちゃん、あっち戻って!」
思春期男子の羞恥心を、いまいち理解してくれない春海は、「どうして?」と小首をかしげる。
(うっ……兄ちゃん、可愛いなっ)
「そんな可愛い子ぶっても、ダメだからね!」
「えー、智秋のケチー」
「もう俺のことは放っておいて! 清史郎さんが、一人でつまんないだろ!」
「いや、それはないな」
智秋が焦れば焦るほど、清史郎をほがらかに笑わせてしまう。
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