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「あの、清史郎さん」
「なんだ?」
清史郎はコーヒーを飲む姿すら決まっていて、何度見ても智秋はドキドキ緊張してしまう。
「あの、ありがとうございましたっ!」
「急にどうした?」
「兄ちゃんを悪い奴から助けてくれたって話を聞いた時、清史郎さん、正義の味方だって思って感動しました」
「正義の味方か……」と清史郎がくすりと笑った。
「俺達が付き合うようになったきっかけは、春海にとってはこのうえない不幸だった。だが俺は入学当初から春海が気になっていたから、あの時、春海に突然告白されて、想定外にうれしかったんだ。綺麗で聡明な春海には、すでに恋人がいると思っていたからな」
「清史郎……」
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