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「サイズ合ってるね。智秋に合うように調整してもらったんだ」
智秋が黙って時計をした手首を見つめていると「気に入らなかった……?」と不安げに春海が尋ねる。
「違うって! そうじゃなくて、こんな高いの、もらっていいのかなあって」
「いいのいいの。黙って受け取っておきなさい」
「……ん、ありがとう」
清史郎と春海の関係は、智秋には理解できない。
だがもし春海が清史郎と別れた時は、自分が兄を慰めるんだと、固く心に誓う。
そして、智秋の穏やかな日々が終わるカウントダウンは、すでに始まっていた。
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