02 兄の恋人

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02 兄の恋人

第2話 兄の恋人 「ねえ、兄ちゃんは、南条さんといつもこんなところでデートしてるの?」  生まれて初めてのオシャレなカフェに、智秋は居心地が悪くて、落ち着かない。緊張のあまり、ジュースに口をつけてばかりいるから、兄の恋人が来る前だというのに、既に氷だけになりそうな勢いだ。   「ううん。僕たち、学校でしか会えないんだよね。それにしても、そこまで緊張しなくてもいいんじゃない? 智秋」  向かいに座る春海が、くすくす笑う。 「だってさあ」  同性代の友人しかいない智秋にとって、兄以外の年上の男性は未知の存在だ。人見知りの性格も相まって、清史郎との顔合わせにかなり気後れしている。
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