POS No.1 12:01:22

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こういうことが度々あるため、店員にとって合計金額というのは「常に変化するもの」というイメージが強い よって変化を表す「〇〇になる」という表現を無意識のうちに使うのだ サーファー部長は500円玉1枚と100円玉1枚を出してきた ありがたいスムーズに会計が進む 「600円ちょうど頂戴いたします お弁当温め終わるまでこちらで少々お待ち下さいませ」 そう言ってレジの真ん前から少し左にズレてもらえるよう手で示す ここまでで17秒 さあここでサーファー部長にはあとは弁当を渡して終わりだ 次の客の会計だ 次の客は見慣れないメガネの色白の男 色白メガネマンはレジにペットボトルのウーロン茶とネギ塩炒飯を置いてきた ウーロン茶をバーコードリーダーに読み込ませようとしたその瞬間 サーファー部長は横からスポーツ新聞を差し出してきた 「わるい、これ追加で!」 おい、スポーツ新聞も入れるならあらかじめ一緒に持ってこいよ! と心の中でツッコミつつ そんな本音を言うひまもない 色白メガネマンに向かって「すみません、少々お待ち下さいませ」と言う 「お会計140円です」 サーファー部長がポイントカードと140円ちょうどを出してきてくれたのはまだ助かる 急いでカードを読み込ませ スポーツ新聞専用のキーを押して会計する 「このままでよろしいでしょうか?」と一応聞く うなづいたのを確認し、新聞を渡す ここまでで26秒 レンジがピッと鳴った音を聞き一瞬で振り向いてレンジからヒレカツ弁当を取り出し袋につめる レンジの温め完了の合図音はピッピッピッの3回だが、昼のピーク時はこの音を3回聞いている暇はない ピッの音で一瞬にしてレンジを開けなければ間に合わない そして「お待たせしました!ありがとうございました」と言って渡す この時、弁当に箸をそえるのも忘れない ここまでで31秒 サーファー部長は弁当を受け取りそそくさと出ていった
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