火葬場の煙

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…この現象がなぜ起こるのかわかっていない。 禁忌の地に火葬場を建てた代償とか、経営者が村の人々から忌み嫌われいじめられていた過去があるとかそういう噂もちらほら聞くものの、直接の原因はわからない。 …現在、村の人口は半分以下だ。 これからも徐々に減って行くことだろう。 逆に『彼ら』の人口は着々と増えつつある。 …ときどき考えてしまう。 もし、この火葬場から最後の煙があがったのなら。 もし、このまま村の人間がすべて『彼ら』に置き換わったなら。 それが何を意味するのか。 それが今後、この村に何をもらたすのか。 分からない。分からないが不安になる。 でも私たちは生き続けなければならない。 この村で生き続けるほかない。 そうして私は、この村で幾度にも渡る不安な朝を迎えるのだ…。
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