先輩と後輩

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『さて、次のコーナーは……接客業の百人に聞いた、仰天! 理不尽なクレーム特集です!』 「いらっしゃいませー」 時計の短針が午後六時を指し示す頃。 いつものようにコンビニ制服を着た私は、店のラジオから流れるニュースを聴きながら挨拶をする。 学生の私では、四桁には到底届かない時給のコンビニバイト。 もっと割の良いバイトがあるんじゃないかと言われればそうだと思うし、もっと楽なバイトがあるんじゃないかと言われてもそれは勿論だと、私は首を縦に振るだろう。 ならば何故一体どうして、貴女はそんなコンビニバイトに学生生活の一部を消費しているのかと言われれば、まあ、夕方帯に限って言えば、このコンビニは随分と暇なのだ。 周りが言う程、過酷な環境でもないと言うのが、私の感想である。
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