番外編【 涼サイド】

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「菜々さん……ずっと…会いたかった…」 あれから彼女のアパートまで送りに来た俺は今、コーヒーを淹れるためキッチンに立つ彼女を後ろから抱きしめていた。 「…本当は帰国してすぐにここまで来たんです。だけど、あの日は結局あなたに会う勇気が出なかった。」 「え…それっていつ?」 「先週末の夜です。ちょうど、菜々さんが男の人と一緒に帰って来て。それから…抱き合ってるのを見てしまいました。」 「違うから!彼は、彼とは…そんなんじゃなくて……」 彼女は焦ったように力強く否定した。だけど、そこで言葉を詰まらせる。 だから俺から彼女の答えを導くように質問した。 彼女の体の向きを変え、正面から彼女と向き合って。 「あの時、あの彼に告白でもされてた?」 「……………」 「やっぱり」
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