番外編【 涼サイド】

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彼女が言葉を言わなくてもその態度が肯定の意を示していた。 「あの時の彼と付き合うんですか?それとも既に付き合ってる?菜々さんと彼は、とても親しそうに見えました。」 彼女が、俯いていた顔を上げた。 「付き合ってない!確かに返事はまだだけど…。彼は大切な同期の仲間で、私も自分の気持ちに逃げずに向き合って答えを出すつもりで……」 また最後が尻すぼみに小さくなっていく。 「今のあなたの心には誰がいるんですか?あの彼?」 はっきりさせるのは正直怖い。だけど、もう今までのような後悔はしたくなかった。 例え彼女に選ばれなかったとしても、知られる事のなかった想いを知ってもらえるだけでもいい。 それだけで、あの頃の自分も浮かばれるだろう。
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