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みるみるうちに大きなその瞳にまた涙がたまっていく。
瞬きをして零れ落ちた涙の雫が、また彼女の頬を濡らしていく。
「わたし…昔も今もあなたに迷惑かけて傷つけたのに…」
「あなたと再会したあの夜、僕と菜々さんは最後まではしていません。確かに裸で抱き合ってキスはしたけど、やっぱり酔っ払って僕のことも誰だか分かっていないあなたを抱く事は出来なかった。それに、あなたは僕を別の誰かと間違えてたから…」
「……ごめんなさい」
「そこにつけ込んだのは僕だから謝らなくていいです
。でも僕の気持ちは信じてくれますか?」
彼女は俺を見て、はっきりとこう言った。
「…うん。私も、涼くんが好き」
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