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まだ部屋の明かりはついてない。
しばらくそのまま待っていよう…と思ったら、角を曲がってきた彼女が俺を見て一気に表情が柔らかくなったのが分かった。
駆け足で俺のすぐ目の前まできた彼女に、胸が嬉しさで一杯になった。
「菜々さん、お帰りなさい」
「ただ…いま。いつから待っててくれたの?」
「さっき着いたところです。もう1本遅い電車だったら菜々さんと同じだったかもしれませんね」
彼女はできれば今日、告白をしてくれた同僚に返事をすると言っていたから…
「外暑かったでしょ…とりあえず家に入って。ご飯もまだだよね?簡単なものしか出来ないけど何か作るね。」
彼女は以前、俺が好きだと言った親子丼を作ってくれた。覚えてくれていた事が嬉しかった。
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