プロローグ

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その余りにもリアルに感じた人肌の温もりと濡れた頬の感触に違和感を覚えた。 これは夢だよ…ね。ちがう…の? 現実に引き戻される意識が少しずつクリアになってきた…と同時に、今度はジワジワと襲い来る恐怖心。 一瞬で全身から血の気が引いていくような感覚と、ズキンズキンとこめかみ辺りを襲う鈍い痛みに顔を歪めた。 起きた瞬間から私を襲うこの不快な痛みが、嫌という程これが現実であることを私に教えてくれているようだった。 さっきまでとは違う意味で夢であって欲しいと強く思ったけど、…もう夢には戻れない。 背中につけていた頬を離し覚悟を決めると、恐る恐る...目を開いた。
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