プロローグ

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目に映る現実に、頭の中がパニックを起こし始めた。 不安や恐怖の入り混じった感情がぐるぐると駆け巡り、何がどうなっているのかも分からない。 ここは一体どこで、この人は一体誰なのか? 昨夜の私に一体何があったのか…… パニックのせいで冷静になれなかったのが良くなかった。 もう少し落ち着いて考え行動できていれば、あんな間違いは起きなかったのに。 昨日から何があったのかも思い出せないまま、誰だか分からない目の前の人が起きてしまう前に、とにかくここから逃げ出すことしか考えられなかった。 息を潜め、まだ起きない隣の男性を横目に、何も身に着けていない自分の姿に落胆しながらもベッドからそっと抜け出した。
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