プロローグ

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カーテンから漏れる陽の光で部屋の中が徐々に明るくなってくる。 幸い、服や下着はベッドのすぐ側に落ちていた。 かき集めた衣服を身につけながら、服と肌が擦れ合うわずかな音にさえ神経を使う。 彼の様子をチラチラ伺いながら着替えていたせいで、ニットを裏返しのまま着てしまった。 こんな時なのに焦れば焦るほど手が上手く抜けない。 彼がもし今目を覚ましてしまったら、もう逃げられない上に何とも間抜けな姿を晒すことになる。 もがきながらもどうにかニットを着直して、残るストッキングを探し始めた。
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