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今夜、あなたと…
駅を出た私たちは、前を歩く2人とは少し距離をあけて歩き出した。
弾むほどの会話はないけど、その微妙な距離感が不思議と嫌では無かった。
「今は、メガネではないんですね…」
歩きながら隣の彼を見上げると、綺麗な形をした彼の瞳が私を見て優しく笑いかけてくれた。
「普段はコンタクトですが病院では視力検査もあったのであの日はメガネだったんです。」
「そうですか。でもメガネだとまた雰囲気が全く変わりますよね。どちらもよく似合ってて素敵だけど…」
彼に見られて緊張しているせいか、素顔なのに似合ってるなんて…とんでもなくバカな発言をしたことに気づく。
「菜々さんって…やっぱり面白いですね。今のは褒め言葉として素直にとっておきます。あと僕の方が年下なので敬語じゃなく普通に話してください。」
笑いながらそう言った彼。
「あ、はい。じゃなかった…。えっと、うんでいいの?」
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