終業式

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体育館内がざわつく。 隣に座ってた優子と渚もこそこそと話す。 「怖い。もう私、夜は絶対外歩かない!」 「大丈夫。優子になんかあったら、あたしが守るから。」 二人は、強く腕を組む。 「えーー、最後の話になりますが、水森高校は、平成29年9月末に廃校になることが正式に決定いたしました。」 ………………………え? さっきまでざわついていた体育館内が静まり返る。 「水森地域の皆さんは、水森高校に大変愛着を持っておりますが故に、少子化という時代の流れとはいえ、廃校は大変残念であると考えております。皆さんには、突然のご報告なってしまいましたが、残りの水森高校での時間を、存分に楽しんでいただけたら、と思います。以上です。」 校長先生がお辞儀をし、ステージから降りる間、頭の整理が追いつかない生徒は、しばらく固まったままだった。 「校長先生、ありがとうございました。続きましては………」 メガネも話の内容までは、知らされていなかったようで、突然の発表に声が震えているのがわかる。 体育館の隅では、谷が俯いたまま動かなかった。 俺は、突然の出来事に、ただただ周りを見渡すことしかできなかった。
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